日本にUKカルチャーを持ち込んだバンド、
あのテクノユニットの前身バンド……
コブラ、コレクターズ、人生、ニューロティカ

5枚目!
COBRA
「STAND THE PREASURE」
(アルバム 1985年リリース)
筆者イチオシ曲『Oi TONIGHT』

再注目の機運高まる1980年代邦楽インディーズの世界を知りたかったら、この10作を聴け!_6

イギリスのワーキングクラス層の若者・スキンヘッズがつくった、パンクのサブジャンルである“Oi!”の真髄は、日本ではなかなか理解されることがなかった。だが、1982年結成のCOBRAは、日本にいち早くOi!カルチャーを持ち込んで体現して見せた先駆者。ストレートで骨太なパンクサウンドの支持者は多く、1987年よりメジャー展開し、1990年には単独の日本武道館公演も果たしている。その後、幾度も活動休止と再始動を繰り返しており、現在は休眠中。

6枚目!
THE COLLECTORS
「Welcome To The Flower Fields And The Mushroom Kingdom! (ようこそお花畑とマッシュルーム王国へ)」
(アルバム 1987年リリース)
筆者イチオシ曲『YuMeMiRu KiMi To BoKu (夢みる君と僕)』

再注目の機運高まる1980年代邦楽インディーズの世界を知りたかったら、この10作を聴け!_7

1986年に結成された、日本のモッズ/プリティッシュロックバンドの代表格。インディーズブーム期に起こったサブジャンルの“ネオGS”シーンから現れ、1987年11月にメジャーデビューする。本アルバムはそれに先駆け、同年6月に発売された唯一のインディーズアルバム。キラキラした良曲が並ぶ名盤で、僕は今でもかなり頻繁に針を落としている。中でも『YuMeMiRu KiMi To BoKu (夢みる君と僕)』は、ほろ苦い青春時代を思い出させるようなキラーチューン。

7枚目!
ZIN-SÄY(人生)
「AS A FACE……(顔として…)」
(アルバム 1988年リリース)
筆者イチオシ曲『EBI NAGE HIGH JUMP(エビなげハイジャンプ)』

再注目の機運高まる1980年代邦楽インディーズの世界を知りたかったら、この10作を聴け!_8

人生とはご存知のとおり電気グルーヴの前身バンドで、1985年に高校生だった卓球(現在の石野卓球)が、友人の畳三郎(現在のピエール瀧)らと結成したテクノバンド。曲者揃いのナゴムレコードの中でも“極北”と呼ばれるほどの異彩を放ち、人気がぐんぐん上昇。1989年には解散して電気グルーヴへと移行するため、本作は人生として最初で最後のオリジナルアルバムとなった。筆者イチオシの『EBI NAGE HIGH JUMP(エビなげハイジャンプ)』テクノとパンクとバカを足して3で割ったような名曲。

8枚目!
NEW ROTEeKA(ニューロティカ)
「DRINKIN’BOYS」
(ミニアルバム 1988年リリース)
筆者イチオシ曲『ア・イ・キ・タ』

再注目の機運高まる1980年代邦楽インディーズの世界を知りたかったら、この10作を聴け!_9

1984年結成のニューロティカは、2022年に史上“最遅”の日本武道館初公演を成功させ話題となった。本作は1988年にインディーズでリリースされたミニアルバムで、代表曲のひとつ『ア・イ・キ・タ』が収録されている。
今では唯一のオリジナルメンバーとなったボーカルのATSUSHI(通称・あっちゃん)は、インディーズブームの当時も今も、ステージ上ではピエロの扮装で通している。ビートの効いたパワフルなパンクロックを奏でるが、哀愁と温もりを帯びたメロディや歌詞が聴く者を惹きつける。