ガム入りアイス、その名は…
カップアイスの名前は『バブヤング』。超マイナーなメーカーの商品かと思ったら、発売元は天下のロッテだった。つまり全国区で販売されていたのだ。
ならばなぜ、誰もそれを覚えていなかったのか。おとなになった私は次のように考えた。
ガムの入ったカップアイスという概念は、たしかに面白い。しかし、子どもがその日の大事なおやつとして、少ないお小遣いを費やして選ぶには、キワモノ過ぎたのではないだろうか。
つまり、食べた人自体が少なかった、ということだ。以降、類似商品が見られなかったことも、それを示唆していると思う。
その後20年以上が経ち、膨大な情報を取り出せる今のインターネットでも、バブヤングの検索結果は数えるくらいしか残っていない。懐かしい駄菓子の資料が溢れるなか、バブヤングは消え去ろうとしているのだ。
これを多くの人に伝えるのは、半世紀近く記憶の片隅にとどめていた自分の宿命だと感じ、今回、ロッテの広報に直接問い合わせてみた。
バブヤングを求めて
結論から言うと、製造元であるロッテにもバブヤングに関する資料はほとんどなく、画像がたった一点残っているだけだった。下のような当時のカタログに、バブヤングは確かに載っていた。