全作品をチェック! 地獄のトロマ映画特集

カルトもニッチも未公開も取りこぼさず‥年間3000本のユーザーリクエストに応えるU-NEXT映画部が目指す15,000本からの3万本配信への奮闘_2

齊藤 金額面も決まり、さっそく配信できることになったのですが、字幕がないという状態だったんですよね。日本で配給されていた作品もあるのですが、軒並み担当者がいないなどの問題があって。結局、全作品の字幕を作り直して配信させていただきました。

この作業がまず、なかなか大変だったのですが、同時に「本当に配信していいのか?」という問題があって。基本的にトロマ作品の内容はかなり過激だし、当時の倫理感で作られてるので、今配信したら大炎上ということもあり得る。そこで、今ここにいる林さん、小林さん、君嶋さん、齊藤の4人で中身チェックをすべてやりました。

君嶋 もう地獄でしたよね(笑)。

齊藤 あ、ここなんか出ちゃってる!とか記録しながらね……。

君嶋 スプレッドシートに、「タイムコードの何分何秒のところに○○が見えちゃってます」みたいなことを、大真面目に書き込んでいましたよ(笑)。あ、スプレッドシート残ってますね。いやあ、これは本当に苦労したなあ。

齊藤 でも、結局、全部配信できたんですよね。で、これが大成功だったわけです。この企画をやった2020年当時は雑誌『映画秘宝』に記事化していただいたり、TBSラジオの「アフター6ジャンクション」で大特集を組んでいただいたり、日本時間の朝4時とかにリモートでトロマの共同創設者でもあるロイド・カウフマンと一緒にミーティングしたり。

カウフマンのインタビューもYouTubeに残っていますが、なんかクラリネットみたいなのを吹いてくれたりして。すごく喜んでくれていたし、こちらを楽しませようとしてくれていましたね(笑)。

 トロマ作品の配信は我々にとって勇気がいることでしたが、反響がものすごく大きくて。配信開始したら社内からも刺されるんじゃなかろうかとかとドキドキしてたんですけど、一般のユーザーさんからの反響がSNSなどで起きて、U-NEXTに対する感謝や称賛の声が止まらなかったんです。

今ではうちの社長にも取材等でトロマ、トロマと言ってもらえるようになりました。トロマってあまり社長の口から出るに相応しい言葉じゃないと思うんですけどね(笑)。

齊藤 もう僕はこれで、この会社に悔いはないです! ありがとうございます(笑)。