「恋愛では先の手は読めません」

――恋愛は同じ業界の方としたいと思いますか?

里見
 私はどちらでもいいです。一般の方なら将棋をやっていることに理解してくださる方がいいかなとは思います。結婚しても将棋はずっと続けていきたいので。

藤沢 まったく一緒です! ちょっと特殊な世界だから仕事に理解があることが大事ですよね。

里見 結婚したら「女性は家に入れ」と強制してくる人は難しい……。

藤沢 そうですね。家事や子育ても半々がいい!

里見 夫婦で助け合いながらって大事ですよね。

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藤沢 囲碁界は夫婦ともに棋士の場合、子どもの面倒を見られるようにリクエストがあれば同じ日に手合い(試合)をつけないようにしてもらえますよ。

里見 すごい! 将棋界にもカップルはいますが、ふたり同じ日に手合いがつくこともあると思います。

――将棋や囲碁と同じように、恋愛では何手先まで読むんですか?

里見
 それ、すごく言われます。でもその偏見はすごく嫌です(笑)。盤上以外はまるで読めません!

藤沢 ほんと思うようになりませんよね(苦笑)。

――藤沢さんは囲碁ではあんなに緻密なのに、スリッパのまま日本棋院から帰ろうとしたりと逸話が多いですよね。

藤沢
 恥ずかしい(笑)。財布も何個失くしたわからないくらいで……。里見さんは忘れ物ないですか?

里見 けっこう確認するからあまり忘れ物はしないですね。藤沢さんはそれぐらい囲碁に集中してるってことだからスゴイですよ。

藤沢 いえ、ただの性格の問題だと思います。でも失くした財布は全部戻ってきていますよ。日本が平和でよかったです(笑)。

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ふたりともプライベートは、ごくごく普通なひとりの若い女性。しかし、本来の姿は天才たちが集う棋界の第一線で戦うプロ。最終回では勝負の世界で生きる厳しさを聞く。

取材・文/内藤由起子
集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/小木寛一
撮影協力/アカシヤ書店

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