別れ際の園児の大泣きは春の風物詩
桜の花が咲きほこる4月。新学期が訪れ、保育園や幼稚園に入園した子どもたちにとって初めての集団生活がやってくる。そして、4月の朝の日常風景といえば、保育園通園の際の“登園しぶり”による別れ際の大泣きである。
筆者は保育士経験があるが、4月は月曜から土曜まで毎朝毎朝、玄関先で泣きまくる子どもの相手をしたことをよく覚えている。「ママがいい!」「保育園イヤ!」と大声で言われ、仕事に向かおうとする母親に「行かないで~」と泣きじゃくる姿は、少しばかりメンタルに響くものだ。
「お母さん、行ってください。あとはこちらで責任をもってお預かりします」と迎えのバスでプロの顔をしてお子さんを引き受け、親御さんにその場を離れることを促す保育士。
しかし、「行っていいものか……」と迷うお母さんもいる。その迷いを子どもが察するものだから、いっそう大きな泣き声を誘ってしまう。こういうときは心を鬼にして子どもを送り出してほしい。
大泣きする子どもも、他の子どもたちが保育士と楽しく遊んでいる様子を見れば、ケロっと泣き止んで遊びの世界に入っていく。家庭以外の世界を知る子どもの姿を想像して、寂しく思う母親もいるだろう。しかし、それこそが保育園に預けるということなのだ。