やや面倒くさい、官公庁オークション独特の申し込み方法

官公庁オークションは、サイト上の「申し込みボタン」をポチッとしても、それだけでは申し込み完了にならない。
まずはクレジットカードなどの情報を入力し、予定価格の10分の1と定められている入札保証金を支払わなければならないのだ。
これはデポジットで、落札が叶わなかった際にはそのまま返金されるシステムだ。

申し込みボタンを押して入札保証金の支払いが済むと“仮申し込み”という状態になる。
その後は出品側の各官公庁が規定する方法で、指定の期日までに“本申し込み”をしなければならない。
ここが、官公庁オークションの面倒なところだ。

長野県庁の場合、HPから申込書と誓約書をダウンロードして必要事項を記入。
さらに、個人での申し込みの場合は以下のうち一通の写し(住民票、印鑑登録証明書、免許証、住民基本台帳カード、パスポート、マイナンバーカード)、法人申し込みの場合は、商業登記簿謄本の写しと役員等一覧表を用意し、まとめて県庁の係宛に郵送しなければならない。

僕は法人登録している個人事務所名で申し込んだので、法人用一式を長野県庁に送り届け、本申し込み完了となった。

ちなみに官公庁オークションに出品されている物はほとんどの場合、出品者が一方的に決めた“下見日”に実物を検分することができる。
だが、長野県庁が指定した日産バネットの下見日に、僕は都合を合わすことはできなかったので、ここは長野県庁さんを信用し、下見なしで申し込むことにした。

どうしても気になって仕方がなくなってしまった“移動図書館車”

本来であれば、入札するのはこの1台だけでよかったのだが、出品されている車を一通りチェックしていたら、どうしても気になる車をもう一台発見してしまった。
それは、東京都の東大和市役所が出品していた“図書館車”。
市内を巡回する移動図書館として、長年活躍をしていた車だった。

話題の官公庁オークションってどうやるの? 2台の車に入札したまあまあ面倒な経緯と意外な結果報告!_6
いい車みっけ!
(『KSI官公庁オークション』のウェブサイトより)

ベース車は三菱ローザというマイクロバス。
長野県のバネットよりもさらに古い、平成元年式というかなりの年代物だが、市内を巡回していただけなので、走行距離はわずか17,299kmだ。
図書館車なので車体は大きく改造されており、両側面と内部に二面、大きな本棚が設置されている。

話題の官公庁オークションってどうやるの? 2台の車に入札したまあまあ面倒な経緯と意外な結果報告!_7
図書館車の車内。なぜか写真が90度傾いているが、2列の本棚が確認できる
(『KSI官公庁オークション』のウェブサイトより)

いかにも官公庁オークションらしい特殊車両だが、これを見つけた瞬間、僕の心は大きくときめき、頭の中に妄想が広がった。

長年、本に関わる仕事をしてきたし、個人的にも読書が大好きなので、我が家には本当に唸るほどの量の本があって、いつも置き場に難儀している。
そのうち専用の書庫でも作るしかないなと思っているのだが、この図書館車を買ったら、プライベートな移動式書庫にできるではないか!

いや、待てよ。
これまで莫大な金額を投じて集めてきた本なのだから、この際、図書館車を使って何か面白い事業を始めるのもいいかもしれない。

かの松浦弥太郎氏が、東京の中目黒でおしゃれ書店のカウブックスを開く前、カスタムしたバスを使って移動書店をやっていたことを、知る人は知っていることだろう。
それを真似て、移動古書店をやるか。
いや待て待て待て。
“移動ブックカフェ”にして、日本各地のイベントなどに出没し、コーヒーやオリジナルグッズを販売したりするのも楽しいかも……。

我が家の場合、僕もアホだが妻も大概アホなので、そんな構想とともにオークションの図書館車のことを話したら、諸手を挙げて賛成してきたばかりか、早くも我が家の移動ブックカフェの名前やロゴマークなどを考え始めた。

よし、オークション参戦だ!

しかし、予定価格8万円とされているこの車の、落札相場がさっぱり見当つかない。
異色で魅力的な車だが用途は限られているし、マイクロバスを置ける場所がある人はそう多くないのではないだろうか?
とすると、これは意外な安値で落札できるかも……。
こういうときの妄想は、自分に都合がいい方向に進みがちなものである。

東大和市の図書館車は、長野県のバネットの一発入札とは違い、せり売り形式となっている。
だから入札が開始されてから、ライバルの様子を見ながら金額を決めることができる。
でも頭の中で、だいたいの予算を決めていた。
まずは50万円。
そしてもし、ぎりぎりで競り合うようなことになったら、プラス10〜15万円までが許容範囲かな……。

この車も落とした後に、相当の整備費や装備品の追加費がかかることが見込める。
それに大型車なので車検代や保険代、税金なども高くつくことを考えると、そこらへんが限界と考えた。

東大和市役所の申し込み方法も長野県庁とほぼ同じで、先方の書式による申込書と誓約書、そして商業登記簿謄本の原本を送り、本申し込みは完了した。