「明らかにロシアに非がある。初めてのケースだ」
――情報を届ける際、意識していることは?
事実を伝えること。兵士たちのプロパガンダを伝えるつもりはまったくないが、彼らがどんな思いを持って生きているのかは伝えたい。
40年以上紛争地帯を見ているが、必ず対立している双方を取材するようにしている。私はどちらからも話を聞き、どちらかが悪いと思ったことはなかった。
しかし、今回ばかりは明らかにロシアに非がある。初めてのケースだ。
――紛争地での取材を続ける原動力になっているものは?
ふざけるなという怒りだ。人々の生活を根底から破壊する争いなんて許されるわけがない。不条理と不正義に強い憤りを感じる。だから続けてこられたのかもしれない。
多くの人に伝えることで、事実を知ってもらい、その問題について考えてもらいたいという思いがある。
――インタビュー後編では、ウクライナの暮らしの現状などについて聞く。
取材・文/高山かおり
写真提供/佐藤和孝(ジャパンプレス)