Apple「サイドローディングは断固反対」
Appleは「サイドローディングを絶対に認められない」という姿勢を貫いている。その理由は、一体どこにあるのだろうか。実は規制当局のレポートに、その理由が示されている。
2023年2月14日開催の「デジタル市場競争会議」で出された公正取引委員会の資料では、「両社はOSプラットフォーマーでありつつ、アプリストアと競合する立場でもある」「アプリストア自体に競争がない」との指摘がなされた。
政府側は基本的にはサイドローディングを許可して競争環境を確保すべきとの立場をとっているが、そこには「セキュリティの確保やプライバシーの保護上問題がない場合には」という文言がつけられており、自由競争の確保に、ユーザー保護の条件を加えている。
Appleが懸念しているのが、まさにこの部分で、セキュリティとプライバシーの問題だ。サイドローディングは、AppleやGoogleによる脆弱性への対策や審査を通じてスマホアプリを安全に保とうとする努力を無駄にしてしまう可能性が高いのだ。
Androidでは利用者の責任においてサイドローディングが認められているが、Appleが示す調査によると、Androidにおけるマルウェアの脅威はiPhoneの15〜47倍にも上ると指摘している。
生活の中で肌身離さず携行し、あらゆる個人情報とコミュニケーションが扱われるスマートフォンは、悪意のある開発者にとって格好のターゲットとなる。
特に子どもを持つ親世代には、高齢になった両親のスマートフォンを設定している人も多いだろう。たとえAndroidデバイスを持っていたとしても、サイドローディングができないように設定し、安全なアプリのみに利用を制限するなど「自衛策を講じる」必要がある。
子どもの位置情報が追跡されたり、金融機関の個人情報が記載されたメモが盗み見られたりといった重大なセキュリティ情報の流出は、最大限に懸念すべきだ。