ビッグカツの味の秘密とこだわり

今ではスグル食品の売上の2~3割も占めるというビッグカツは、名実ともに同社の看板商品となっているが、美味しさの秘密はその揚げ方にあるようだ。

「普通だと揚げ物を包装すると、衣部分に油が残ってしまい、ふやけた触感になってしまいます。そこでビッグカツは、脱油の工程を一つ経て中の油を絞り出しています。そして、さらに冷却させることによって、袋内で発生する結露を防ぐことができ、いい食感を実現させているんです。
ちなみに一昔前は、専用の機械に乗せて回すことで発生する遠心力を頼りに油を抜くなんていう原始的な方法も試していました。

また中身のプッチンのほうもこだわりが。プッチンをシート状に伸ばした後に焙焼し、水分を飛ばしてからビッグカツ用の原料サイズに裁断する、というようにプッチンの水分が衣に移行しないように対策を施しているのです」

「低価格子どもをお腹いっぱいにしたい」創業者の想いが息づく駄菓子の「ビッグカツ」。“ビッグ”に込められた「会社の命運」とは_4
魚のすり身を練っている工程
「低価格で子どもをお腹いっぱいにしたい」創業者の想いが息づく駄菓子の「ビッグカツ」。“ビッグ”に込められた「会社の命運」とは_5
魚のすり身を練っている工程
「低価格で子どもをお腹いっぱいにしたい」創業者の想いが息づく駄菓子の「ビッグカツ」。“ビッグ”に込められた「会社の命運」とは_6
今も昔もプッチンは伸ばして成形している
「低価格で子どもをお腹いっぱいにしたい」創業者の想いが息づく駄菓子の「ビッグカツ」。“ビッグ”に込められた「会社の命運」とは_7
揚げ終わった後に油を抜く工程がある

また魚特有の生臭さを消すためにも、ソースや身自体にも工夫を凝らしているという。

「うまく魚の臭みをマスキングしつつ、より魚の旨味を引き出せるソースを作り出すために、スパイスや調味料の組み合わせを考えるなど手探りで試行錯誤していたようです。
また、ガーリックパウダーやブラックペッパーなど香辛料の配分も研究を重ねていて、本物の豚肉っぽくできるよう味付けに気を遣っていたのも、大きなこだわりですね」