寛容な時代の象徴だった銀玉鉄砲

銀玉鉄砲は危険! キューブは無駄! スライムは面倒!  親の天敵だった“駄菓子屋の廉価版おもちゃ”の今_1
刻印によるとタイガーオートマチックという銃らしい
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廉価版おもちゃの筆頭といえばこれであろう。

その名の通り、当時は銀色の玉をバネの力で打ち出して遊ぶおもちゃだった。銃を手にしたヒーローに憧れながらも、モデルガンさえ手に入れられない子ども達が、一度は楽しんだであろうおもちゃだ。

子どもの手に馴染むよう、小さなサイズにアレンジされているが、造形はなかなかのものだと思う。現在は、打ち出す玉が銀玉ではなくなっている。

銀玉鉄砲は危険! キューブは無駄! スライムは面倒!  親の天敵だった“駄菓子屋の廉価版おもちゃ”の今_2
ほかにも、緑や赤があった

今回購入したお店では、写真のBB弾と一緒に売られていた。BB弾は大人のホビーモデルガン用というイメージがある。昔の銀玉は割れやすかったため、品質の安定したBB弾に置き換えられたのかもしれない。

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20発程度は装填可能

本体上部後方のフタをスライドさせて玉を装填するのは今も同じ。

あの頃、ここにザラザラと無造作に銀玉を流し入れ、無駄にこぼすことがあった。こぼれた銀玉が踏んづけられ、割れて潰れ、そこに独特のマーキングが形成されたっけ。

今の私は小型の犬を飼っているため、玉を飲み込ませないように慎重に詰め、手製の的を打ってみた。

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紙を撃ち抜く威力はないが、肌に当たると痛い

当時、私達はこんな真面目な遊び方はしなかった。友達同士で銃口を向け合い、遠慮なく打った。建物や木の影に隠れながらの打ち合いは、漫画やアニメのようで、ものすごく楽しかった。

今なら問題になるような遊びなので、親には内緒だったが、大きな事故があったという話は聞いたことがない。銀玉鉄砲が禁止されずに売られ、遊び続けられていたことは、寛容な時代の象徴なのかもしれない。