シャンシャンで空いた心の穴を
他のパンダで埋められるわけではない
2022年12月23日に中国への返還が発表され、2023年1月21日から最終展示日の2月19日までのシャンシャンの観覧は抽選制となった。ぱんだうじ氏も全日程申し込んだが、結局週1~2回ほどしか会えなかったという。
また、上野動物園にはぱんだうじ氏以外にも毎日パンダを見に来るいわゆる“パンダ仲間”たちがいるそう。彼ら、彼女らの返還に対する反応は?
「これまでシャンシャンはコロナの影響で帰国が5回も延期されていたので、みんな覚悟はしていたんです。パンダ仲間同士、腹を括り『笑顔で気持ち良く送り出してあげようね』と語り合っていました。もちろん、中には『返還は受け入れられない』という姿勢をとるパンダ仲間もいましたが、それほどシャンシャンが愛されていた証拠ですよね」
大きな“シャンシャンロス”に包まれている上野動物園。
「シャンシャンにはシャンシャンの個性があるので、その穴を弟と妹である双子のシャオシャオとレイレイが埋められるわけではない。このロスがいつまで続くかはわかりません。もう会えないのは寂しいけれど、どれだけシャンシャンが素晴らしいパンダだったか、ぜひ皆さんの記憶に残してほしいですね」
悲しみを噛みしめながらも、気丈にもこう語る、ぱんだうじ氏であった。
取材・文/菱山恵巳子