上野動物園パンダ舎の客層をも変えた
シャンシャンの誕生
リーリーとシンシンの元に待望の第一子としてシャンシャンが生まれた2017年、上野は“シャンシャンフィーバー”に沸いた。生後しばらくは見学は抽選制で、倍率が100倍にも上がったそう。一般公開後もシャンシャンの見学には2~3時間待ちが当たり前だったという。
「シャンシャンきっかけで“パンダ沼”に落ちた方は多く、パンダ舎の客層も変わったほどでした。これまでは子連れの方がほとんどだったのが、シャンシャン誕生以降は、突然40~50代の女性客層が増えましたね。子育てがひと段落し、シャンシャンを我が子同然に感じている方が多いようです」
そんなシャンシャンが生まれてからのこの5年間で、ぱんだうじ氏が特に忘れられないと言うのが、シャンシャンが母親のシンシンと過ごしているひと時。
「パンダが親子で過ごす時間は意外に少なく、1歳半くらいで親離れをしてしまいます。だからこそとても貴重。シンシンとシャンシャンが母子で仲睦まじく過ごす濃密な時間は、たまらなく微笑ましかったですね」
そして、シンシンとリーリーからパンダの魅力にハマったぱんだうじ氏にとって、シャンシャンは「孫のような存在」だという。
「毎日パンダを見ている僕にとって、もはやパンダは家族。最初に出会ったリーリーとシンシンが我が子的な存在なんです。だからその子どものシャンシャンは孫のようで愛おしい。もう会えなくなると思うと、心にぽっかり穴があいた感覚です」