『タイタニック』の世界初上映はなんと日本だった!

莫大な製作費、ケガ人続出の撮影、監督のブチギレ、やる気のなかったディカプリオ…『タイタニック』は前評判最悪の沈没寸前映画だった!?_5
レオの来日の様子を詳細にレポートした「ロードショー」1998年2月号
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1997年11月に開催された東京国際映画祭の特別招待作品として、世界に先駆けてワールドプレミア上映されたのはなんと日本。『ロミオ+ジュリエット』公開後とあって、日本でもレオ人気が急上昇。1998年2月号の「ロードショー」では、日本滞在中にレオの通訳を担当していた小林のりこ氏に原稿を依頼し、貴重なエピソードの数々を紹介している。

空港では多くのファンと記者がレオの到着を待ち構え、後に『スパイダーマン』(2002)に主演する俳優のトビー・マグワイアら友人たちを引き連れて2度目の来日。東京・渋谷の映画祭会場には2000人以上のファンが詰めかけ、レオがレッドカーペットから入場できないほどだったという。

実は記者も、徹夜でチケットをゲットした友人のおかげで、世界で初めて一般上映される『タイタニック』を鑑賞できたひとり。キャメロン監督とレオが登場すると、会場のあちこちから歓声や悲鳴やため息が聞こえ、まだ華奢で初々しい青年期の美しいレオの姿に、誰もが感動&興奮状態だったのを覚えている。

記者会見には『タイタニック』を見た直後のコメントが聞けるとあって、700人以上の記者が集まる盛況ぶり。プライベートでは、レオが買い物に出かけるとファンがタクシーで追いかける、といった攻防もあったそう。

それでも、夜になると友人たちや監督夫妻らと食事やクラブへと出かけ、慌ただしいながら仕事もプライベートも満喫して帰っていったのだとか。その後、世界中で巻き起こる『タイタニック』旋風の始まりは、紛れもなく、1997年の日本だったのだ。

文/石附信子