シニアの元組員の8割は生活保護

若ければ肉体労働もできるが、シニアになるとそうもいかない。「カタギになったシニアは、その8割が生活保護に頼る。生活保護は楽だから」とN氏はその実態を解説する。

「引退してもシニアの年齢では募集が少なく、元組員となれば応募すら難しい。指がなければ仕事にはほぼ就けない。客商売もできないし、配達員に指がなかったら客は驚くだろう」

そのため生活保護に走るのだという。

「シニアの元ヤクザの8割は生活保護」暴力団離脱後に直面する厳しい現実。「引退してもクレカどころかTSUTAYAカードも作れない」「元組員だと明かせば色眼鏡で見られ…」_4
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それでもらえる金額が月に13~14万円とする。そのうち5~6万が家賃なら、手元には残るのが8万円程度。光熱費や電話代を引いても、使えるのは1日当たりだ2500円近くになる。食べるだけなら十分の金額で、1食分は真面目に働く会社員のランチ代より多くなる。

「食費を抑えれば小遣いも出るが、酒や博打に使えばあっという間になくなる。彼らには酒や博打に使う時間があり余るほどあるからな」(N氏)

カタギになり生活保護を受ける元組員が戦っているのは“元ヤクザ”のレッテルよりも、暇を持て余すことなのかもしれない。

取材・文/島田拓
集英社オンライン編集部ニュース班

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