「僕はアーチェリーの愛好家ではなく、競技者」
中学生の部活動でアーチェリーに出会ってから競技生活は半世紀に近くなってきた。
「マイナー競技で、教師という職業で飯を食いながら、自分でやりくりして自由気ままにやってきたから、肩書きとかに左右されずに好きなことが言える。
山本は子供だ、もう少し大人の振る舞いができないのかと思う人もいるかもしれないけど、それでも正直にオリンピックでもJOCにも、いいことはいい、悪ことは悪いと言いたい。それに、マイナー競技だから現役を辞めたら発信力がどんどん弱まっちゃう。そのためにも現役を続けたい。
ただ、全日本選手権に出場できなくなったら、引退を考えるかもしれません。僕はアーチェリーの愛好家ではなく、競技者なんです。なので全日本出場は僕自身の中で最低のハードル。来年の出場権は獲得済みなので、61歳になるシーズンの44回目は、生きてりゃ確実に出られる。
こんなことを昔は考えなかったけど、いつ病気になるかわからないから、身体の検査は最低限はやっています。
67歳まで出られれば50回。ここまではひと区切りなので、頑張ってみたいと思う」
取材・文/松本行弘