DEV LARGE追悼イベントを越える行列
【④ 大型クラブの相次ぐ閉店(2022年9月)】
道玄坂の大型クラブ「ビジョン」や「コンタクト」の閉店も、渋谷のナイトカルチャーにおいてセンセーショナルなニュースだった。
ビジョンの最終営業日に行われた“ラストダンス”では、道玄坂にあるユニクロ横まで行列ができ、名残を惜しもうと集まるクラバーが絶えなかった。
その一方で、「ラストダンスを上回る、ビジョン史上最も行列ができたイベントがある」と齋藤氏は言う。
「2022年8月に開催したHIP HOP系イベント『STEREO WAVE』では、ビジョンでの開催が最後だったということもあり、PUNPEE、BIM、BAD HOPという豪華ゲストが名を連ね、盛大に行われました。ビジョンでのライブを一目見ようと、大勢のお客様が来場され、一時は渋谷駅前のビックカメラ前まで長蛇の列ができていたと聞いています」
【⑤ 3年ぶりのハロウィン(2022年10月)】
毎年、世間から注目を集める渋谷ハロウィン。
今年は実に3年ぶりの行動制限なしとなったわけだが、同時期に行われていたW杯の際にも多くの人出で賑わっていた。
こうした状況下で、齋藤氏はクラブ運営者としての立場から、次のような見解を示す。
「以前はハロウィンといえば、クラブの“繁忙期”だったわけですが、渋谷の街中でハロウィンが盛り上がりを見せ始めた頃から、クラブには入らずにコスプレや仮装をして街を練り歩く人が飛躍的に増えたと感じています。
ハロウィンらしいお祭り気分を味わったり、路上でナンパしたりする光景を見るのは、クラブを運営する側からすると、少しさみしい気持ちになってしまいますね」
渋谷の街中は言ってしまえば無法地帯でもある。迷惑行為やハプニングが起きても、取り締まる警察が気づかなければ、見過ごされてしまう。
他方で、クラブの中にはルールがあり、何かハラスメントが起きればスタッフがすぐに仲裁へ入ることができる。
「グローバル・ハーツでは、困っている人がいれば話を聞いたり、迷惑行為を行う相手に対して注意したりするという『ステートメント』を出していて、トラブルの際には適切な対処を行っています。
街中で盛り上がり、日ごろのストレスを発散することもいいことだと思いますが、モラルを保って最低限のルールを守ることが大切なのではないでしょうか」