「モデル3」とはまったく違う乗り心地
モデルYは、電気自動車らしいワンペダルの運転が可能で、アクセルを離すと完全に静止するまで回生ブレーキをかけてくれる。そのため、街中でも高速でも、アクセルペダルだけを操作すればいい。
今回試乗したのは、よりパワフルな「モデルY パフォーマンス」。アクセルを踏み込んだ瞬間、ぎゅっと勢いよく、驚くべき加速を見せる。日本でここまでの加速を常用する場所はないが、それほどまでに動力性能は十分。ここまでは、モデル3と同じ体験だ。
しかし、実際に走ってみて本当に驚いた。モデル3に比べて、圧倒的に静かで、スムーズな足のこなしを見せるのだ。非常にフラットな乗り味で、段差のこなし方にも “固さ”がない。加えて、走行中の静粛性が高まっており、フカフカのシートや広い居住空間も相まって、まったく別のクラスの車に乗っているかのような上質な体験だった。
表現するなら、モデル3は「やんちゃで元気」に対して、モデルYは「大人でゆったり」。この味付けの違いは、テスラの製造能力の充実や顧客からのフィードバックに応じて、遮音性やサスペンションの向上など、さまざまな対策がなされた結果だと感じられた。
来年にも「モデル3」のマイナーチェンジが企画されているというが、こうした上質性が加わるならば、より競争力が高まるのではないか、と期待が高まる。
そもそもエンジンがなく、振動や音などがない電気自動車だけに、静粛性が高まるとますます「静かな移動空間」という快適さが際立ってくる。