優勝した瞬間、ビンタが飛んできて

――最終的に2本目は1本目を1点上回る482点で、トータルでは2位に19点差を付けての完勝でした。優勝が決まった瞬間、どんな思いが過りましたか。

原田 審査員の方々の点数が出るたびに「山内(健司)さん、ありがとうございます」「秋山(竜次)さん、ありがとうございます」「小峠(英二)さん、ありがとうございます」「飯塚(悟志)さん、ありがとうございます」「松本さん、ありがとうございます」と。

お笑い始めたときからキングオブコントは獲れると思い続けてやってきたので、やっとやという思いがこみ上げてきて。ここで泣いたらあかんな、なんか言わなあかんなと思っていたら、いきなりビンタが飛んできました。

――事務所の先輩でもある司会の浜田(雅功)さんのビンタですよね。おそらく優勝が決まって、10秒も間がなかったと思います。

きん 僕は感慨にひたりながら、ああ、そんな人生なんや、って。自分の人生で優勝するなんてことあんねや、って。そう思ってたら、原田の方から水しぶきが飛んできて「なんで水?」と。そしたら原田の汗でした。ビンタで、汗が飛び散ったんです。

ビスブラが明かすKOC2022優勝の核心「ネタのテンポを上げたら笑いになった。スピードはキモさを中和させるんです」‗03
「浜田さんのビンタの感慨は、吉本の芸人じゃないとわからない」と語るきん

――それにしても、強烈なビンタでしたよね。あれは、何なのでしょう?

きん 副賞です。

原田 ご祝儀ですね。すごい音したなと思って。え、自分から出た音? みたいな。それぐらい唐突でしたけど。

――痛くはなかったのですか。

原田 痛くはなかったですね。むしろ、嬉しいぐらいで。あれで初めて「ああ、優勝したんやな……」と込み上げてきましたから。

きん この感覚、吉本の芸人じゃないとわからないかもしれないですね。

ビスブラが明かすKOC2022優勝の核心「ネタのテンポを上げたら笑いになった。スピードはキモさを中和させるんです」‗04
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取材・文/中村計 撮影/村上庄吾

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