「4+特1色印刷」と言い張るにはどうか…なインキセット
テスト印刷では、Y(イエロー)版は蛍光インキを加え、M(マゼンタ)版とK(ブラック)版は固定。C(シアン)版を2種、KP(蛍光ピンク)版を2種、計4パターンのインキセットで刷ってみた。組みあわせによって「肌が自然だが青空が…」「空は澄むが肌の調子が出ない」と言った差が生じるため、すべての絵に100点満点の組み合わせは無い。800点超の原画の特徴から、総合的に先生の絵の良さを表現しやすいのはどれか? という観点で討議を重ね「写真右上」のセットに決定した。
蛍光ピンクのインキは、株式会社T&KTOKAの「TOKA FLASH VIVA DX」を採用。本書ではカバー・オビ・本表紙にもVIVAを使用している。このピンクが、くらもち先生が多用するビビッドなピンクの再現に適していたのだ。
通常のグラビア雑誌ではCMYKのプロセス4色、カバーなどでは特別に蛍光色を加えた4+特色1の5版が使われることが多いのだが、この画集は本文160pすべてが5色刷り。しかも今回は、PD栗原×BD名久井コンビが選出した「トテモアザヤカナ5ショク」である。ページを開くとパッと目にとびこんでくるような色彩は、くらもち先生も大満足。ただしこれは、「これは、4+特1色ではなく、特3色! しかもVIVAまで入れて…!!」と予算担当からは叱られ、出版関係者からは「よく許してもらえたね(羨)」と言われる5色なので、ご利用は計画的に……。
栗原:黄色のインクは、絵柄に適した蛍光イエローと通常イエローを半々で混ぜています。蛍光イエロー100%だと、期待した濃度感が出ないためです。