YouTubeを見て訪れる外国人観光客も
足袋(たび)に冷たい雨が染み込む冬の寒い日も、真夏の猛暑日も走り続ける俥夫。体力自慢の女性ばかりが働いているのかと思いきや、そんなことはない。
秋元優花さん(21歳)は、高校卒業後にテーマパークに就職が決まっていたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で内定が取り消しに。そこで、東京力車で人力車の仕事を始めたという。
「確かに体力が必要な仕事ですが、私は運動経験ゼロです。研修で走り込みを頑張って体力をつけました。女性俥夫の強みは、小さいお子さんの受けがいいことですかね。人力車のお兄さんはガツガツくるイメージがあってちょっと怖いのか(笑)、『お姉さんがいい』という子どもも多いんです。
女性のお客さまも女性俥夫を希望される方もいますね。また熱心な男性客のリピーターも多くて、全国各地から毎週末に上京して人力車に乗りにくる常連客もいらっしゃいます」
東京力車女子部では、元気はつらつと浅草を駆ける様子をInstagramやTikTokでも発信している。また、大利さんを始め、個人でYouTubeを開設している俥夫もいる。SNSを見て「働きたい」と門戸を叩く女性も多いという。
さらに、YouTubeを見て「人力車に乗ってみたい」と日本を訪れる外国人もいるそうだ。
「海外で私たち女子部の動画がバズっていたようで、韓国やヨーロッパの人たちから『女の子がこんな大変な仕事するの?』『そんなことさせちゃいけない』という反対意見もあったようで、大きなインパクトを感じながら見てくれたようですね」(大利さん)