「オプトアウト」という合理的な選択
BOBOSのもうひとつの特徴は、「リベラル」であることだ。
これは政治的な立場ではなく(とはいえ彼らの多くは反トランプの民主党支持者だが)、たとえば、LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クイア/クレスチョニング、その他)など性的少数者とも分け隔てなくつき合うという意味だ。
BOBOSはアメリカやヨーロッパだけではなく、中国やインド、東南アジアでも増えている。日本の若者が将来、留学したり、海外で働くようになったり、あるいは海外旅行するときでも、仲良くなるのはたいていBOBOSだろう。
なぜなら、「リベラル」でなければ外国人と友だちになろうとは思わないだろうから。
アメリカでは2000年前後に、成功したバリキャリの女性が突然、専業主婦になるために会社を辞める「オプトアウト」という現象が起きた。それまで国連や大手弁護士事務所、ウォール街などで活躍していた女性が、自ら選択(オプト)して労働市場から「脱落(アウト)」していったのだ。
しかし考えてみれば、これは合理的な選択だ。
有名大学や大学院を出た優秀な女性は、夫も高収入であることが多く、すでに一生分を稼いでしまった。だとすれば、なぜ子どもを犠牲にして、青筋立てて働きつづけなくてならないのか。