<HATORI HIROMI>

独特な五・七・五、東京とソウルの交換日記、コロナ禍の美大生の創造…「TOKYO ART BOOK FAIR」で見つけた名作たち_20
TABFで異彩を放ったHATORI HIROMIさん

ジンから納豆、焼きそばへの飛躍

さまざまなアートブックが会場にひしめく中で、異質な空間が目に入った。「おにぎり」「なっとう」「出来立て可 やきそば」「焼き立て可 餃子」と書かれる紙が並んでいる。

鉄板の上に見えるのは、毛糸でできた焼きそば。隣にはパック詰めされた餃子やおにぎりなどが鎮座。もちろん食品ではなく、布でつくられた作品だ。これぞ現代アート。本屋ではなかなか出合えないような変わり種に遭遇できるのがTABFの醍醐味だと改めて感じる。

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『なっとう』(¥1,000)、『やきそば』(¥600)
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容器を開けると毛糸の納豆が入っている

「幼い頃から手を動かして何かをつくるのが好きだった」と話すHATORI HIROMIさん。今回が初めての出展だという。

大学時代にジンをつくり始め、本を「開く」という動作に着目して発展したのが一連の作品とのこと。ジンからこの形への飛躍が面白いし、HATORIさんの全力で遊ぶ楽しさがひしひしと伝わり、ホクホクとした気持ちで会場を後にした。

「HATORI HIROMI」Instagram>>

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取材・文/高山かおり
撮影/山野一真