<HATORI HIROMI>
ジンから納豆、焼きそばへの飛躍
さまざまなアートブックが会場にひしめく中で、異質な空間が目に入った。「おにぎり」「なっとう」「出来立て可 やきそば」「焼き立て可 餃子」と書かれる紙が並んでいる。
鉄板の上に見えるのは、毛糸でできた焼きそば。隣にはパック詰めされた餃子やおにぎりなどが鎮座。もちろん食品ではなく、布でつくられた作品だ。これぞ現代アート。本屋ではなかなか出合えないような変わり種に遭遇できるのがTABFの醍醐味だと改めて感じる。
「幼い頃から手を動かして何かをつくるのが好きだった」と話すHATORI HIROMIさん。今回が初めての出展だという。
大学時代にジンをつくり始め、本を「開く」という動作に着目して発展したのが一連の作品とのこと。ジンからこの形への飛躍が面白いし、HATORIさんの全力で遊ぶ楽しさがひしひしと伝わり、ホクホクとした気持ちで会場を後にした。
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取材・文/高山かおり
撮影/山野一真