<かもめ姉妹>
東京とソウルの「小さな楽しみ」を交換
10年前から親交を深めてきた韓国人のハナさんと日本人のマキさん。コロナ禍で突然会えなくなってしまい、互いの日常を報告するオンライン上のやりとりから本誌は始まった。
ふたりとも映画『かもめ食堂』が好きだから、かもめ姉妹。海を間に挟んで行き来するという意味も込めている。「小さな楽しみを探す」と謳う通り、それぞれが暮らすソウル、東京の街に対する思いや好きな場所について綴り合い、日常に潜むささやかな感情を丁寧にすくい取る文章が心地いい。
どんな風景を見ながら何を感じ、日々を過ごしているのか。そんな問いを読み手にも投げかける。ふたりは同名のウェブマガジンも運営し、毎週更新。紙版は現在3号まで出ていて、「小さいマガジンをたくさんつくって、いずれ本にまとめたい」と話す。
優しい語り口と、離れていても互いを思い合う気持ち。今日もかもめ姉妹は、言葉と写真を通じて心を通わせているのだろう。