アントニオ猪木の人生とは…

2017年に脊柱管狭窄症の手術を行い、2018年に難病指定の「心アミロイドーシス」を発症してからは車いすでの生活を余儀なくされた。晩年、猪木さんはこうつぶやいたことがあった。

「俺の人生、ただ人を喜ばせたい。そのことに馬鹿みたいに必死になってきたと思う」

闘病生活をYouTubeで公開したことも自らが希望した行動だった。そして、その姿を見た世間の多くの猪木ファンはもちろん、猪木さんを中傷し揶揄してきた人々でさえ今、猪木さんの人生に心を揺さぶられている。

猪木さんはこんなことも言っていた。

「俺は、結局、『ざまぁみろ!』って言いたくて好きなことをやってきたんですよ」

マスメディアによる想像以上に膨大な訃報を猪木さんは「ざまぁみろ!」と笑っているのだろうか。

取材・文/福留崇広(スポーツ報知記者) 写真:ロイター/アフロ