消火は水を掛けない
焚き火を楽しむ際に、実は意外と難しいのが消火です。水を掛けると高熱の水蒸気と灰が舞い上がって大変なことになるので、非常時以外は水を掛けないように注意が必要です。
燃え尽きて灰になるタイミングで焚き火を終えるのが理想ですが、就寝したり、長時間火のそばを離れたりする際には、空気を遮断して消化する「火消しつぼ」が必要です。炭や薪を入れてフタを閉めておくと、やがて酸素がなくなり火が消えます。消火した後の灰や炭は、キャンプ場のルールに従って灰捨場などに処分すれば、無事焚き火は終了です。
これだけは守りたい焚き火のマナー
最後に、若洲アウトドアセンターの金丸さんから、焚き火初心者にありがちな失敗談を聞きました。
「経験が少ない方は薪を多く入れすぎて、巨大な炎を上げてしまいがち。焚き火台にもよりますが、炎の高さは20〜30cm程度が目安。1メートル以上の炎が横風にあおられ、化繊のタープ(風雨よけの天幕)が一瞬で炎上してしまったケースもあるほどです」とのこと。
環境に極力負荷をかけない「ローインパクト」が不文律のアウトドアでは、周囲の自然に気を配ることが大切。基本を守り安全に十分注意することで、焚き火がより楽しめるはずです。
文/杉山元洋 撮影/竹之下美緒