大喜利が芸人を目指したきっかけ

――ネット大喜利というのがあったんですね。

六角電波 大喜利で競うための、投稿と投票ができて集計までしてくれるCGI(コモン・ゲートウェイ・インターフェイス)を作った人がいたんですよ。

冬の鬼 誰もわからないよ、掲示板とかを作動させられるプログラムのCGIの話(笑)。

Yes!アキト 「爆笑オンエアバトル」(NHK)を模したネタで競うサイトとかもあったよね。

寺田寛明 僕もそのサイトで大喜利をやっていました。

六角電波 そのサイト出身の芸人さんとかもいますね。アマチュアが大喜利できる場が最初はネットにしかなかったんです。

警備員 お笑いが好きな人が、自分も表現したいと思ったときに一番たどり着きやすかった。僕も山口県だったのでネット大喜利ばかりやっていました。

六角電波 大喜利大会は主に東京にしかなかったですしね。僕もイベントを主催していますが、会議室とかで集まってひたすら大喜利をやるという集まりがあって、それをライブ化したのが寺田さんの「大喜利千景」だと思います。それまでは大会はあっても内輪でやってる感じで。広く宣伝してお客さんを集めるライブはあまりありませんでした。

寺田寛明 大会というのは競技やバトルなんですよね。「大喜る人たち」のようにワイワイやる感じの場所がなくて。競うのではなく好きに回答する、というのをやってみたら、結構盛り上がりました。

警備員 実は、僕は「大喜利千景」に出たくて上京したんですよ! ネット大喜利の知り合いの人たちも立っている舞台があるって知って。2016年に上京して、翌年には「千景」に出演していました。

プロアマ入り乱れる大喜利が今アツい! ネットの遊びがライブシーンになるまで_12
トリオで活動する警備員(ハチカイ、パッチューネ所属)/ハチカイとしては結成2年目でキングオブコント準々決勝進出。寺田によれば、「警備員の回答はコントのようにキャラクターに入る憑依型なのが新しい。切り取りの動画でも伝わりやすく、時代に合っている。バズる大喜利」

六角電波 「千景」がなかったらハチカイもなかったんだ。

警備員 お笑い芸人になったのもそれがきっかけです。