――さて、今年の都市対抗でトクサン注目のカードはズバリ?

初戦の東京ガス(東京都)対JR東海(名古屋市)はめちゃくちゃ注目しています。東京ガスは昨年全国制覇したので予選なしでの出場なんですが、実は全国制覇したチームがここ2年連続で初戦敗退しているんですよ。これって、予選で命を削るような試合を繰り広げてきたチームと戦う難しさですよね。やっぱり勢いがありますから。下馬評では東京ガス優勢なんでしょうけど、JR東海も今年いい形で代表権を勝ち取っているので、このカードはまず大注目です。

――いきなり初戦から注目なんですね。ほかのカードはどうでしょう?

JR東日本(東京都)と大阪ガス(大阪市)は強豪同士ですが、予選で苦労した2チームなので、どう立て直しを図るかが楽しみです。あとは九州大会で力を見せつけた、昨年の都市対抗 準優勝チームのホンダ熊本(大津町)が鷺宮製作所(東京都)とどう戦うかも見てみたい。

ハマったら抜け出せない。トクサンが語る「都市対抗野球」の魅力とは_3
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それから、日本通運(さいたま市)と対戦する宮崎梅田学園(宮崎市)は自動車教習所を運営する企業さんで、選手たちが教習所の先生なんですよ。それを聞くとなんだか身近に感じますよね。九州大会で強豪のJR九州と死闘を繰り広げて勝ち上がってきているので、勢いがあるんじゃないかなと。とはいえ、日本通運もバッテリー中心に力がありますから、どんな試合になるのかホントに楽しみです。

あともう一つ、ロキテクノ富山(上市町)は都市対抗初出場なんですけど、阪神タイガースなどで活躍された藤田太陽さんが監督をされているんです。藤田さんは僕も仲良くさせていただいているので、個人的にとても期待しています。

プロも注目する”あの選手”のプレーを見て欲しい!

――ちなみに、プロ注目など、今回の都市対抗で見ておくべき選手はいますか?

日本新薬(京都市)の福永裕基選手ですね。彼は5年目の選手でプロ注目選手として知られています。社会人日本代表の選考にも呼ばれていて、おそらくこの大会に出ている誰よりもプロに対するこだわりが強いと思いますね。ほかの企業の選手たちも一目置いている存在です。

あとENEOSの渡会隆輝選手も面白いですね。去年も都市対抗でホームランを打っているので、今年も打ちまくってプロの門を叩いてほしいです。お父さんが元ヤクルトスワローズの渡会博文さんでサラブレッドなんですけど、すました感じが全然なくて、笑顔が素敵でガッツのある元気な選手ですよ。

――最後に、トクサンご自身はこれから社会人野球に対してどのように関わっていきたいですか?

社会人野球は人間ドラマが取り上げられる機会が少ないので、トクサンTVでそういうところも発信していきたいですね。選手の一挙手一投足を近くで見てきたからこそ、それをどんどん伝えていければな、と。彼らが必死で頑張っている姿を届ける役割を、微力ながら担っていければと思います!

取材・文/岡田真理
撮影/是枝 右恭