「ボンタンアメ」は本当にライブ参戦時の必需品なのか?
鹿児島県鹿児島市の製菓会社・セイカ食品株式会社が販売している「ボンタンアメ」。
なんでも、「ボンタンアメを食べることで尿意が消える」というポストがXで拡散され、「推し活で行くライブや舞台などの長時間の鑑賞に最適では?」と話題に。その結果、需要が高まり一部のスーパーやコンビニで品薄状態になったこともあったようだ。
しかし、本当にお菓子で尿意が消えるのだろうか。
「医学的には糖質や炭水化物が含まれているものを食べることで、一時的な尿量の減少はあります。なので、完全に否定はできません。場合によってはボンタンアメを食べて、トイレが近くなくなることはありえるのかもしれません」(室宮氏、以下同)
ボンタンアメの原材料を見てみると、水あめやもち米など、まさに糖質と炭水化物がメインで使用されていることがわかる。
「糖質や炭水化物は水分子と結合して、身体の中にグリコーゲンという形態で蓄えられます。これにより水分を身体に蓄えやすくなるので、摂取した水分が尿になる量を減らす効果があるのです。ただ、ボンタンアメを少量食べたというだけで『尿意が消える』と断言することはできませんが…」
また、ボンタンアメの原材料のひとつであるもち米が水分を吸いやすいことが、今回の話題に拍車をかけたのではないかと室宮氏は推察する。
「以前にはもち米が原材料の大福も、抗利尿作用効果が期待できるとして話題になっていたことがありました。その大福の話題もあったため、いまボンタンアメが注目された可能性もあるでしょう。
いずれにしても水分を吸収しやすい食品だと、摂取した水分を尿にすることを阻害していることにもなるかもしれません」
しかし、いくら抗利尿作用が期待できるからといって、ボンタンアメを食べすぎることへ室宮氏は警鐘を鳴らす。
「糖質の多く含まれた食品なので、食べすぎると糖尿病のリスクが高まる可能性があります。糖尿病になると、高血圧や脂質異常症、肥満などを合併しやすく、これらの病気と相まって動脈硬化を進行させる危険性がありますので、糖質の過剰摂取には注意してください」