「パコ美は愛娘のようなもの」
人と動物の絆にこんなにも心が動くのは、年々孤独感が深まっているからなのかな。
ここ数年はいつまでも親が健在でないことを痛感。
この先はきっと、一人また一人と、自分に関係している人がどんどん減っていく。
だからこそ、より“繋がり”に敏感になっているというか。
子どものいない私にとって、パコ美は愛娘のようなもの。
やっぱり、大切な家族であり“繋がり”を強く感じる存在なんですよね。
私が泣いていたらそっと寄り添ってくれたり、流した涙をペロペロと舐めてくれ……なんて、素敵なエピソードは一切ないんですけど。
大人数でウワーッと飲んで、帰宅して急に一人になったりすると、寂しくて死にそうになることも。
でも、そこにポンっと茶色い生き物がいるだけで安心するというか。
その体温を感じるだけで癒やされるんだよね。
そんなパコ美もあっという間に10歳に。
最近では、まつ毛やアゴの毛が白くなりはじめて、寝ている時間がどんどん長くなってね。
犬の10歳は人間の56〜60歳。
気づけば、私の年齢も超えてしまって、「パコ美との時間は有限なんだな」と痛感する日々。
またさ、彼女は良くも悪くも有名犬になっているので。
「パコ美ちゃん、元気ですか?」と聞かれる機会もすごく多いんですよね。
ありがたいことではあるけれど、その度に「死んじゃったあと、これを聞かれるのは結構辛いものがあるな」と思わず想像してしまったりしてね。
“拾い食い”という困った癖を持っているけれど、神様から“巨大な肛門”というギフトをもらっているパコ美ちゃん。
先日も散歩中に食べたファミチキの包み紙をぶっといウ○コと共に無事に放出いたしました。
老いてはいるけれど、今のところは至って健康。
だからこそ、当たり前のように存在するこの時間を本当に大切にしたい。
最近、飲みに行くときは近所の犬OKの居酒屋へ。
その店はメニューが少ないから、毎回、同じようなものを食べることになるんですけど。
いいんです、いいんです。
若干飽きているが、それでいいんです。
私にとってはパコ美と過ごす時間が何よりも大切な宝物なのだから。
聞き手・構成/石井美輪 イラスト/中村桃子 撮影/露木聡子













