国産で品質・価格の安定感が強み

DVDレンタルや書籍販売を展開するTSUTAYA(ツタヤ)でも、今年3月からクジラ商品が展開されている。

TSUTAYAや紀ノ国屋などでも販売されているクジラジャーキー
TSUTAYAや紀ノ国屋などでも販売されているクジラジャーキー
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クジラの生態や世界の捕鯨の歴史などを紹介した『鯨と人類』がニュートンの別冊として発売されたことにあわせ、捕鯨にゆかりのある高知県の店舗を皮切りに、今後、全国数十店舗で、「くじらジャーキー」(30g入り税込378円)や、大和煮などの缶詰も販売していくという。

クジラジャーキーについては今年、紀ノ国屋でも東京都内5店舗で販売が開始され、広がりを見せている。

鯨肉販売がにわかに広がってきた背景について、かつて大手スーパーで長年、鮮魚売り場のチーフなどを務めてきた水産アドバイザーは、「サンマやイカをはじめ、国産の魚介類が不漁でしかも高く、継続した品揃えが難しくなってきている中で、国産であり価格や質が安定しているクジラが注目されるようになっているのではないか」と説明する。

国産のほか、スーパーや回転寿司で多く扱われる輸入の冷凍魚については、海外での魚需要の高まりや、円安の影響による日本の「買い負け」がいっそう顕著になっている。そうした事情から、国産の海産物で安定した価格で確保できる鯨肉への関心が高まっているようだ。

共同船舶の井出広報担当アドバイザーは、「昭和の食糧難の時代にクジラはたくさん食べられていたが、今でも鯨肉自体は豊富な栄養価に加えて、マグロと牛肉のいいとこ取りをしたようなおいしさがある。十分な資源管理の下で生産されており、今後もクジラの味をより手軽に楽しんでもらえるよう働き掛けていきたい」と意気込んでいる。

取材・文・撮影/川本大吾