ベーコンや握りなど続々と登場

価格に加え、鯨肉はほとんどが冷凍保存されているため、身質の面でも安定していることで、ここへきてようやく首都圏のスーパーなどで、クジラ復活の動きが始まった。まず今年に入って、ある大手スーパーがおよそ20年ぶりにクジラベーコンの販売を再開した。定番商品という位置付けではないが、「売れ行きなどをみながら今後の扱いを検討していきたい」(広報担当者)と話している。

スーパーなどで再び見られるようになってきたクジラベーコン
スーパーなどで再び見られるようになってきたクジラベーコン
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さらに、東京や埼玉などで店舗展開する「東武ストア」は、以前からニタリクジラの刺し身などを販売してきたが、今年から約30店舗でナガスクジラを使った握り寿司の販売をスタートさせた。埼玉県朝霞市の店では、クジラの刺し身用やベーコンなどのコーナーとは別に、魚介の握り寿司が並ぶコーナーに3種(畝須・本皮・赤身)8貫入りの「くじら寿司」セットを販売している。

東武ストアで好評となっているクジラの握り寿司
東武ストアで好評となっているクジラの握り寿司

セットの価格は880円(税抜き)で、サーモン、マグロ、イクラ、イカ、玉子など8貫入りの「うみ」1080円(同)よりも安い。売り場担当者は、「年配者から若者まで幅広い年齢層に好評で、魚介の寿司と合わせて買っていく客もいる」といい、リピーターも多いという。

一方、東京や埼玉を中心に鮮魚専門店を運営する「魚力」では、今年4月下旬に千葉の店舗でクジラベーコン、缶詰などの販売を開始。5月以降は赤肉も含めて、提供する店を増やしていくものとみられている。

飲食店にもクジラ大衆化の兆しが見え始めた。東京・港区西新橋の「鯨の胃袋」をはじめ、クジラ専門店3店舗を運営する「ひとうみ」は、今年3月にクジラ料理店では全国初という立ち飲みスタイルの飲食店「立呑み いさな」(港区西新橋)をオープンさせた。

3月に東京・新橋にオープンした「立呑み いさな」のメニューとクジラ料理
3月に東京・新橋にオープンした「立呑み いさな」のメニューとクジラ料理

同社の大越勇輝社長は「クジラ料理というと高いイメージがあると思うが、ふらっと立ち寄って気軽にクジラの味を楽しみながらお酒も飲める店を作りたかった」という。イワシクジラの赤身刺し、ナガスクジラのもつ煮込みがともに税込480円とワンコインで楽しめるほか、数々の部位がお手頃な値段で提供され、人気となっている。