プライベートブランドの台頭でナショナルブランドの勢力図に変化が

トップバリュの売上は2023年度に1兆円を突破した。2025年度の売上は前年比でおよそ1割増加し、1兆2000億円近くにまで達した。足元のイオンのプライベートブランドの売れ行きは好調である。特に低価格路線の「ベストプライス」の伸びが著しく、2025年度は13%も増加した。トップバリュは消費者の節約志向の受け皿になっている。

食品の値上げラッシュは今年も続いている。帝国データバンクによると、主要な食品メーカー195社の2026年4月における値上げ品目数は2798。値上げ1回当たりの平均値上げ率は月平均14%だった。即席めんなどの加工食品、マヨネーズ・ドレッシングなどの調味料、飲料の値上げが目立つ。

値上げによる消費者の買い控えは、ナショナルブランドですでに表れ始めている。日清食品の2025年度のカップめんの売上は前年比1%の微増、袋めんは2%減少した。

「カップヌードル」のレギュラーの希望小売価格は税別236円(2026年4月からは248円)。トップバリュのベストプライスのカップラーメンは本体価格が108円だ。「出前一丁」の5食パックは730円、トップバリュの「オールタイムヌードル しょうゆラーメン」が5食パックで238円。価格にだけフォーカスすると、プライベートブランドに軍配が上がる。

インスタントラーメンに買い控えの兆しが…(写真/shutterstock)
インスタントラーメンに買い控えの兆しが…(写真/shutterstock)
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販売の伸びが鈍いカテゴリーは日清食品以外にも見られる。キユーピーも国内の消費者向けの調味料の売上は横ばい、伊藤園の緑茶の足元の販売数量は減少している。傾向として強く出ているのは、代替がききやすいカテゴリーであるということだ。

例えば、ごま油の国内シェア50%のかどや製油は、2022年と2023年に値上げを行なったが、2025年度の家庭用の販売数量は増加。売上は伸び続けている。イートアンドホールディングスは主力の「大阪王将 羽根つき餃子」を2025年9月から値上げしたが、冷凍餃子カテゴリーでシェアトップの座を守った。月間470万パックも売れており、今のところ勢いが衰える様子はない。

物価高で多くの消費者は「これでいい」か「これがいい」かを常に考えている。トップバリュは前者の消費者意識を拾いに行く作戦だ。8月31日まで値段を据え置く「価格凍結宣言」の商品一例として、サラダ油やマヨネーズ、ケチャップ、スパゲッティ、オリーブオイル、即席めんを挙げた。まさに代替がききやすいものである。