高林容疑者が生活していた「離れ」のなか…
5月1日午後2時17分、千葉県習志野市の潜伏先アパートの一室で高林容疑者は逮捕された。盗難車を使い、埼玉、東京、千葉県内などで逃走を続けていた高林容疑者は「殺すつもりはなかった」と容疑を否認しているという。
逮捕3時間前、取材班は母親のもとを訪れていた。母親は逃走を続ける息子の“自首”を願いながら「優しい子なんですけどね…」と肩を落としていた。
「学歴でいえば中卒ですが、賢い子なんです。中学時代は喧嘩ばかりで、せっかく合格した高校からも、入学前にトラブルを起こして『入学を許可しない』と通告されてしまって。後に勉強して大検(現・高卒認定)には合格しましたが、結局、大学へは行きませんでした」
父はプロ囲碁棋士で、「頭の回転も速かった」と母親は話すが、どんな仕事も続かなかった。
「土木の仕事をしても、先輩に流れを教わった翌日には『先輩、これはこうした方がいいですよ』と口を滑らせてしまう。生意気だと目をつけられるのに、性懲りもなく口答えするから仕事が長続きせず……。でも、頭の中は緻密なんです。何でも自作してしまう人でしたから」
一家が現在の家に引っ越してきたのは10年前。高林容疑者は約8年前、自宅の庭に自らの手で「離れ」を建て、そこを拠点に生活していた。
離れの扉には「天地」と黒スプレーで書かれている。母は「なぜこの文字が書かれているのかはわからない」と話す。その「離れ」の中も母に見せてもらった。
わずか8平米ほどの「離れ」は高林容疑者がつくった“秘密基地”のような空間だった。入口付近には、数十着の服がハンガーに掛けられたクローゼットと、その隣には壁に埋め込まれたロフトベッド、さらにはPCブースがある。ブースは、2台のモニターを備えたデスクトップが置かれ、PCの横には一冊の記録が残されていた。日々、どのマシンを何キロ、何回持ち上げたかを細かく記した「トレーニング記録」だ。
「だいぶ前から母屋のトレーニングルームで体を鍛えていました。夜の8時過ぎから2〜3時間もガッチャガッチャと音が聞こえていましたから」
PCブースの隣にはシャワールームとトイレのユニットバスも備え付けられていた。さらに奥にはキッチンまであった。キッチンには家族用の大きなシンクのほか、3口コンロが備え付けられている。逃亡前に使用していたのか、シンクには洗っていないお椀などが水につけられ、置かれていた。
「水道工事もガス工事も電気工事も、全部自分でやった。大工の修行をしたわけでもないのに、建材をいちいち調べてやったんです」













