根拠のない値引き、辻褄の合わないキャンペーン
住宅メーカーがお客さまに契約の決断を迫るとき、「お願い」して契約してもらえるほどこの仕事は甘くない。
住宅営業マンが契約を急かしたところで、第一にお客さまにとって契約を急ぐ理由がないからである。
つまり、お客さまに契約を急がせようとしても、「急ぐメリット」がそこにない以上、お客さまが首を縦に振ることはない。
そこで住宅メーカーが即決を迫る武器として、「期間限定」だとか「キャンペーン」という言葉を使い、それをお客さまの背押しとして利用することが多い。
「キャンペーン」……ある意味、使い古された言葉なので、なんとなく胡散臭いと感じながらも耳を傾けてしまう言葉でもあるだろう。
住宅業界のキャンペーンというと、期間内のご成約でさまざまなオプション品が標準装備されるということが多い。
キッチンやユニットバスのグレードアップや、外壁や床材のグレードアップ、玄関ドアのキーレスやタッチレス水栓、浴室テレビ等、内部構造的なものより、どちらかというと目で見てわかりやすく、華やかさのあるものが多いのが特徴。
住宅営業マンとしても、契約を決めてもらう当日、なんの武器も持たずに「どうでしょう? 今月契約しませんか?」というより、「今月決めていただければ、○○がつきます! △△もつきます!」といったほうが格段に商談をまとめやすくなる。
そしてキャンペーンを背景に契約をあと押しする際、営業マンも決して無機質な言い方はしない。
「遅かれ早かれ、ご契約を決めていただける可能性があるのであれば、このタイミングが絶対お得です! ……このキャンペーンは今月のお客さまだけなので、来月以降契約のお客さまには、むしろ申し訳ないことをしてしまう思いです……私もこの業界長いですが、ここまでのサービスは見たことがない、会社も思い切ったことをしたものです! ……」
といった感じで特別感をアピールし、すべてがお客さまのためであり、「このタイミングで契約できるなんて、お客さまはなんてラッキーな人なんでしょう」くらいの勢いでまくし立ててくるに違いないだろう。













