「考えます」の8割は「ウソ」

クロージングの最終局面での、お客さまからの「考えます」のひと言は、とても堪えます。頭が真っ白になる人や、がっかりしてしまう人もいるでしょう。

気持ちは分かります。けれども、営業の現場で起きる、すべてのことは効果本位で見て、考えて、行動してください。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)
すべての画像を見る

お客さまが「考えます」と言った時に、あなたが言うべき言葉は、まずは「そうですよね。分かります」です。

これは、その場しのぎの言葉ではありません。お客さまの言語化できていない気持ちや悩みを、「私は分かっていますよ」と、伝えるための言葉です。

お客さまとの関係性を断ち切ることなく、この場から逃げることはないというあなたの覚悟を言語化した言葉です。

では、一体何が「分かる」のでしょうか?

お客さまの「考えます」には、次の4つのカテゴライズがあります。

・1つ目は「高い」です。料金が高いという理由です。
・2つ目が「相談したい」です。相談相手は、この場にいない誰かです。
・3つ目が「他社も見たい」です。製品の比較や、料金の相見積もりです。
・4つ目が「時期尚早」です。今じゃなくてもいいという都合です。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)

同じ「考えます」にもたくさんの理由がありますね。けれども、これはすべて「その場から逃げたい」という1つの思いから出た言葉です。

本書は営業さんしか読んでいないという前提で、ハッキリ言いましょう。お客さまが「考えたい」と言う時、その8割は「ウソ」です。

「決めたくない」「その場から逃げたい」「ここまでいろいろ話してもらって申し訳ない。だけど、自分は悪くない」……。そこから生まれた、さまざまな「ウソ」が、これら4つのカテゴライズの「考えたい」なのです。

ですから、あなたの「分かります」は、お客さまの「ウソ」は「全部、お見通しですよ」と伝える、余裕綽々の商談継続宣言です。堂々とした態度で、そして満面の笑顔で伝えてください。

その上で、この4つのカテゴライズの「考えます」に対して、しっかりと「切り返し」ができれば、契約は取れます。あなたの商材は売れるのです。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)

これら4つの「考えます」に対して、しっかり「切り返し」ができる準備を整えるのがこの章の役割です。けれども身構える必要はありません。営業の現場における最大の難関ですが、その解決のための技術は、これまで見てきた“すごい営業”の「型」です。

この「型」の構造を知り、使い方を理解すれば、誰でも「切り返し」のトークを作ることができます。そして誰でも、「考えます」の壁を突破できる「切り返し」ができるようになるのです。

実際、私は「考えたい」と言われても、その8割はこれからお伝えする“すごい営業”の「切り返し」によって売ることができています。

なぜ8割かと言えば、「担当者に相談しないと決済できない」「うちには予算がない」などの「本当の事情」がある人も2割いるからです。