3か月以上、感情を継続させる大変さ
地上波ドラマは、今も昔も“長く届けること”を背負っていることも問題だ。1クール3か月。朝ドラなら2クール分で半年間も、視聴者の心をつかみ続ける必要がある。この、テレビにとって当たり前すぎる形式が、いま地上波ドラマの難しさになっている。
特に日曜劇場『GIFT』の苦戦は、その象徴に見える。
『GIFT』は、堤真一演じる孤独な天才宇宙物理学者・伍鉄文人が、弱小の車いすラグビーチームと出会う物語。パラスポーツを舞台に、仲間や家族の大切さ、愛を知っていく完全オリジナルストーリー。
スポーツドラマ、成長ドラマ、仲間との絆、挫折からの再起。こうした要素は、本来なら日曜劇場と相性がいいはず。しかし、いまの視聴環境では、感情をじっくり積み上げるドラマを3か月にわたって見続けてもらうことが難しい。
Netflixに慣れた視聴者は、気になった作品を一気に見る。テンポが合わなければすぐに離脱し、次の作品に移る。話題になっている作品も、数日単位で消費されていく。そうした見方に慣れると、週1回、1時間、3か月かけて進む地上波ドラマは、どうしても遅く感じられてしまう。
スポーツドラマや成長ドラマは、その空白で感情の熱が冷めやすい。
「先週どこまで進んだっけ」
「いい話だけど、今週は見なくてもいいか」
「全部終わってから見ればいいか」
そんなふうに思われてしまうと、リアルタイムの視聴にはつながりにくい。地上波では1週間ごとに視聴者の感情の温度が途切れてしまうのだ。
朝ドラにも似た難しさがあるだろう。
特に『風、薫る』はダブルヒロインの物語だ。二人の主人公がいて、それぞれに背景があり、さらに周囲の登場人物も多い。明治期の看護という題材も、説明すべきことが少なくない。
物語としては丁寧に積み上げる必要がある一方で、視聴者が主人公に強い感情を抱くまでには、いつもより時間がかかる構造になっている。その時間の長さが、視聴離脱を招いている可能性がある。



















