東京23区の戸建住宅の平均額は9000万円を突破

住宅価格については別の懸念もある。戸建住宅は需給面で価格が押し上げられる可能性があるのだ。

東京カンテイによると、東京23区の2026年3月の新築小規模一戸建住宅平均価格は、9256万円だった。前年同月比で16.6%(1319万円)も上昇している。調査開始の2014年4月以降、初の9000万円台突破である。

東京23区では、2025年の新築分譲マンションの平均価格が前年より2割高い1.3億円となった。建築費高騰の煽りを受けたものだ。1億円を超えたのは3年連続。ここ数年でマンション需要が拡大、価格は上昇基調にあった。そこにコスト高が加わったことで、2割も上昇してしまったのだ。

ここまでマンションの価格が高騰すると、購入検討者は戸建住宅の取得も視野に入りやすい。資金力のある人が豪華な内装と高い機能性を兼ね備えた高級物件を探し始めているのだ。都心の戸建はラグジュアリーへと傾いて強気な価格の物件が増えた。

マンション購入を諦め、郊外の戸建住宅を取得する動きも加速しているようだ。首都圏の2026年3月の新築小規模一戸建住宅平均価格は5891万円で、前年同月比で8.2%、東京都で12.9%の増加だ。

戸建住宅は資材高と人材不足による建築コスト負担増に加え、需要が膨らんで価格上昇に拍車がかかる恐れがあるのだ。

悪材料はまだある。住宅ローン金利の上昇である。2026年4月から大手銀行の変動型の住宅ローン金利が上がっているのだ。2025年12月の日本銀行の利上げを受け、みずほ銀行や三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行などが変動型の基準金利を引き上げている。

住宅の高額な購入費用は巨額の住宅ローンに形を変え、借入にかかる金利が上昇して生活費をさらに圧迫するというわけだ。

混乱を招く前の早期解決に期待したい。

供給調整を発表したLIXIL(写真/shutterstock)
供給調整を発表したLIXIL(写真/shutterstock)
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取材・文/不破聡