授業が成り立たない--小2教室を襲った学級崩壊の現実
教室外にいる子が、授業補助に来ている校長先生らに連れ戻されます。ひとりが戻ってくると、他の仲間の子が「どこ行ってたん?」と会話が始まり暴れ出します。群れているのです。その子たち同士での仲間意識があって、教室が悪い方向に向かう。手がつけられない状況でした。
騒がしいなか、机に座っている子どもたちはワークシートという穴埋め問題のプリントを黙々と解いていました。
一定の時間が過ぎると無機質なタイマー音が教室に響きます。
教室では、校長先生と授業を受けなかったり、妨害したりする男の子たちとのやりとりが続いています。
「いま、そういうことをするときじゃないでしょ!」
などと校長先生が叫ぶ声。また、先生の机で野球の動画を見ている子どもたちに対して、幾度も注意していました。
「それ音量100くらいでしょ?下げなさい」
日本では、2018年に文部科学省が教育のICT(情報通信技術)化に向けた環境整備5か年計画を策定し、子どもたちにノートパソコンやタブレットを持たせていますが、ここで目にしたのはそれがおもちゃ化した実態でした。
パソコンの音量を下げる、下げないのやりとりがエスカレートしたとき、その子が校長先生の髪を引っ張ろうとしました。
私は「参観者」の立場を超え、思わず子どもに声をかけました。
「君、それは……」
するとその子はさーっと逃げていきました。
このとき、彼が私のことを睨みつけてきたのですが、その表情はとても小学校2年生とは思えないものでした。パッと見て肌の色から、ご両親のいずれかが外国の方のようにも見えました。いまの学校では当たり前のことです。多様な子どもたちが学び合う場こそが、公立小学校ですから。
その授業は終了のチャイムが鳴ったあと、5分間延びました。子どもたちはもう、チャイムが鳴る前にボールを持って運動場に出ようとします。そして先生に「5分延びたのだから、休み時間も5分延ばして」と要求していました。
一方、この野球帽の男の子たちに対して学校側がやっている対応は、放課後に「たとえ6時間外に出ていても、その日の簡単なプリントの問題を解けばいい」というものでした。彼らは10分で問題を解き終えることもあったようです。算数の引き算の時間に外に出たのなら、その分だけ「ひとり課外」が実行されているといいます。これは、根本的なものごとの解決にはつながらない、対症療法のように見えました。













