骨肉腫の青年が抱いた「陸上自衛隊の夢」
「実家の近くに陸上自衛隊の駐屯地があって。カッコいいなと思っていました」
と話す、ひゅうがさん。その気持ちのまま、中学卒業後は陸上自衛隊高等工科学校に進んだ。
「3年間の全寮制で、高校の普通科の授業に加え、自衛隊の専門的な勉強や訓練を受けていました。志望は、陸上自衛隊の第1空挺団でした」
第1空挺団は日本唯一のパラシュート部隊。有事の際には最前線で任務を行う。入隊には厳しい訓練や条件をクリアする必要があり、狭き門と言われている。
「中学から柔道を始め、高等工科学校でも柔道部に入りました。初段で黒帯です」
そんなひゅうがさんが左膝に痛みを感じたのは、高等工科学校3年の7月末。当初、整形外科での診断は筋肉損傷だった。
「8月には全国大会がありまして。いわゆるインターハイではなく、通信制や定時制の高校などに通う生徒のための全国大会(全国高等学校定時制通信制体育大会)なんですが、そこでもすごく膝が痛くて。
監督に『もうやめるか?』と言われましたが、最後の大会だったので、試合の合間に冷やしながら出場し続けました。団体戦は優勝、個人では65kg級で3位。やりきれたし、いい結果で終われたと思っています」
しかし、ズキズキと響く激しい痛みはおさまらない。大学病院で検査を受け、骨のがんである骨肉腫(ステージ4)と診断されたのは9月のことだった。













