補助金は消費者へ一直線に届かない欠陥を持った制度
3月19日、政府は1リットルあたり30.2円の補助金を市場に投入した。普通の頭で考えれば、お店のガソリン価格は30円安くならなければおかしいはずだ。
ところが、資源エネルギー庁が発表したその次の週のお店での値下げ幅は、たったの13.1円だったのである。残りの17.1円は一体どこへ消えてしまったのか。
財務省が過去に行った調査でも、国からもらった補助金の全額をきちんと値下げに使ったと答えたガソリンスタンドは、半分以下の45.2パーセントしかいなかった。
国は川の上のほうからジャブジャブと税金を流し込むが、川の下のほうにいる私たちのところに届く頃には、複雑な流通の仕組みや時間差のせいでその効果が大きく薄れてしまっているのだ。
補助金とは、そもそも消費者へ一直線に届かない欠陥を持った制度なのである。
30円の税金を使って13円しか安くならない買い物を、あなたは自分の身銭を切ってやるだろうか。絶対にやらないはずだ。しかし、政府はあなたの税金を使って、そんなバカげた無駄遣いを平然と、そして大規模に続けているのである。
税金をストレートに安くする「減税」をやればいいだけ
誤解してほしくないのは、私は「ガソリンが高くなっても政府は何もしなくていい」と言っているわけでは決してないということだ。
日々の生活に欠かせないガソリン価格の急激な高騰は、生活に余裕のない人たちや、毎日トラックを走らせている中小企業の経営を容赦なく直撃し、最悪の場合は生活や会社を完全に破壊してしまう。
だからこそ、国が責任を持って急激な価格の変化に対応し、国民を守り抜くことは絶対に必要である。
しかし、だからといって、なぜ「補助金」などという不合理で非道徳的なやり方をわざわざ選ぶのか、ということに私は心の底から怒っているのだ。
本当に困っている国民や小さな会社を助けたいのなら、今すぐガソリンにかかっている税金をストレートに安くする「減税」をやればいいだけの話である。減税をすれば、お店のレジで支払うガソリン代は確実に、そして1円の狂いもなく安くなる。
生活が苦しい家庭も、赤字に苦しむ地元の運送会社も、みんなが平等に、そしてすぐに助かるのだ。













