ガソリン価格高騰の行方
ホルムズ海峡は世界の原油輸送の要衝であり、通過量は世界全体の約2割にも達する。日本は原油輸入の大半を中東に依存しているため、その影響を直接的に受けやすい構造にある。
実際、今回の危機では原油価格が急騰し、国内外でガソリン価格が短期間に大きく上昇した。3月中旬に前週比29円/Lの上昇が報じられるなど、短期間で急騰しており、生活コストの上昇が現実のものとなっている。 また、欧州でも国際エネルギー市況の上昇を受けて燃料価格が急騰しており、これは地域を問わず同様の構造的影響が及んでいることを示している。
では、この価格高騰は今後も続くのだろうか。エネルギー問題に詳しい専門家の江田健二氏に聞いた。
「短期的には、やはり高止まりしやすいと見ています。今回の値上がりは、需給そのものというより、中東情勢の緊張を受けた供給不安が一気に価格に織り込まれている面が大きいからです。日本のガソリン価格もすでにかなり高い水準にあり、すぐに大きく下がる局面ではないと思います。
一方で、中長期については先行きがかなり不確実です。情勢が落ち着けば原油価格は下がる可能性がありますが、今回は原油だけでなくLNGや物流にも不安が広がっており、影響が長引く可能性もあります。ですから、短期は高止まり、中長期は情勢次第で上下に振れやすいと見ています」
まず短期的には、供給制約が続く限り価格は上昇圧力を受け続ける。現在、ホルムズ海峡ではタンカーの航行が大幅に制限され、原油輸送量が急減している。このまま供給不足が続けば市場は敏感に反応し、価格はさらに押し上げられる。
また、紛争が長期化すれば、日本国内でもガソリン価格が200円台を超え、最悪の場合300円近くに達するとの見方もある。
ただし、価格上昇が無限に続くわけではない。政府や国際機関はすでに対策に動いている。日本では3月16日に民間備蓄義務量の引き下げと国家備蓄石油の放出が決定され、需給の緩和を図っている。同様に、各国も戦略備蓄の放出や増産要請を進めており、これらは価格上昇を一定程度抑制する効果を持つ。
また、価格が高騰すれば需要が減少し、結果として市場全体のバランスが調整されるという側面もある。
これまでの歴史を振り返ると、地政学リスクによる原油高騰は一時的に収束した例も多いが、持続期間や影響の大きさは事案ごとの差が大きい。需給の調整や外交的解決が進めば、価格は徐々に落ち着く可能性もある。













