「この年で、こんなに夢中になれるなんて」
牛窪 最後に、よく聞かれる質問かもしれませんが、生まれ変わっても阪神ファンになりたいですか?
中江 そうですね……生まれ変わっても阪神タイガースはきっとあると思うので。その時、阪神が待っていてくれたら、またファンになろうと思います。
牛窪 いつ頃からファンになりたいですか? 生まれてすぐ? それとも…。
中江 私はファンになったのが結構遅かったので。でも、40歳を超えて阪神ファンになるというのも案外楽しいんです。この年になって、こんなに夢中になれるものに出会えるんだなって。この感覚を知れたのは、遅かったからこそかもしれない、と思うところもあります。
牛窪 私自身はもともと巨人ファンで、ほかにもヤクルト(スワローズ)や西武(ライオンズ)など他球団ファンも経験したからこそ、阪神ファン独特の家族的な空気や強い絆、思い入れの深さも分かるんだろうなと思います。ただ、よく「暗黒時代を知らないくせに」と言われることもあって。
中江 それは言い返せないですよね(笑)。
牛窪 うちの夫は子どもの頃(1970年代)から阪神ファンなので、私が試合に負けてイライラしていると、「まだまだ青いな。負けるのが当たり前なんだよ、阪神ファンっていうチームは」と言ってくるんです。だから、暗黒時代を知っているファンの方たちへのリスペクトは、いつもあります。
中江 そうですね。私たちはまだ阪神ファンとしては、ひよこと卵ですから。まだ、うぶ声をあげているくらいで(笑)。
阪神タイガースへの思いを語り合ったこの日の対談は、単なるファン同士の熱い会話にとどまらなかった。行動心理学やマーケティングの視点を交えながら、何かを応援することが、「なぜ人の心を支え」「日々に張りをもたらすのか」その理由が、言葉の端々から自然と浮かび上がった。
好きなものがあるから、日常は少しだけ豊かになる。
応援したい存在があるから、明日を生きる気持ちが生まれる。
阪神を語る二人の姿は、そのシンプルで強い事実を、あらためて教えてくれた。
取材・文/集英社オンライン編集部
















