負け試合でも幸福感を得る技術
牛窪 負け試合後についても、お聞きしたいです。
中江 私は児玉清さんのエッセイのタイトルでもある『負けるのは美しく』からお言葉をお借りして、自分の本でも「負けるのは美しく」と書いたのですが、負けた日はものすごい量の日記を書くんです。
牛窪 日記ですか?
中江 ええ。去年から143試合、全部感想を書いているんですけど、いちばん長くなるのは負け試合なんです。勝った時って、特に言うことはないじゃないですか。「とらほー!」で幸せだから。でも負けた時は、「あれがダメだった」「ここをこうしておけば」と振り返るポイントがいくつもあって、ずっと書いてしまう。
牛窪 分かります。私も仕事柄、試合後にヤフーのコメント欄なども見ますが、阪神ファンはみんな「監督気分」になるんですよね。「なんであそこで走らせなかったんだ」「なぜバントだったんだ」と。でも、自分の予想が試合で当たると、推理小説みたいにスカッとする。これが、著書にも書いた「インファレンス効果」。それって、幸福感を得るうえですごく大事なんですよね。
負けた時も、負けっぱなしで終わらせないで、その後に反省会をする。行動心理学でいう「ピークエンドの法則」といって、嫌なイメージの「エンド」は、そこで終わらせずに後ろ倒しすることで、プラスに上書きできるんだよという考え方です。私は甲子園で負けた時は、だいたい球場近くの「コメダ珈琲」で、ひとり反省会をします(笑)。
















