「あかん、阪神優勝してまう」

牛窪 あと、阪神ファンには、独特の共通言語がありますよね。「334」とか。2005年の日本シリーズでロッテに大敗した時の合計スコア、33対4のことなんですけど、この数字を見ると、ファンは自虐的なツッコミを入れ合うのがお約束になっています。

「あかん、阪神優勝してまう」も、かつてABC(朝日放送)がこのタイトルの特番を組んだら、それまで絶好調だったチームが急に失速して、結局優勝を逃したことがあって。それ以来、ファンにとってはある種トラウマのような言葉になっています。

球場で観戦する中江さん(左)と牛窪さん(写真/本人提供)
球場で観戦する中江さん(左)と牛窪さん(写真/本人提供)

中江 岡田監督が優勝を「アレ」と言い換えるのも、この流れとつながっていますよね。

牛窪 そうそう。岡田監督自身は、以前の(オリックス・バファローズの)監督時代の経験を活かして「アレ」と言うんだと仰ってましたが、たぶんそれだけじゃないと思う。実は、そうした少し茶目っ気のある合言葉や隠語を共有することが、チーム全体のストレスを和らげる「ユーモアコーピング効果」につながるんです。仲間内だけで通じる言葉があることで、結束も深まりますし。

中江 岡田監督は天才だなと思います。まさに、分かる人にだけ分かる共通言語ですよね。