毎日、決まった時間、決まった箇所に謎の激痛

4年前の春先、筆者はひどい頭痛に襲われた。季節の変わり目で気候も安定しない時期だったため、最初は「今日の片頭痛はやけにしんどいな……」くらいに思っていた。だが、そこから奇妙な苦しみの日々が始まった。

毎日、決まった時間に、決まった箇所が痛み出す。痛みは横になって頭を押さえていないと耐えられないほどで、ただの片頭痛にしてはさすがにおかしいと思った。だが一方で、一日2時間ほどくるその痛みに耐えれば、あとは何事もなかったかのように体は動く。体調はいい。

謎の頭痛が毎日訪れる(画像/Shutterstock)
謎の頭痛が毎日訪れる(画像/Shutterstock)
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こうして「治ったかもしれない」と思った翌日、また同じ時間に同じ痛みが来る。そんなことを繰り返すうちに知ったのが、「群発頭痛」という病気だった。

群発頭痛は、心筋梗塞や尿路結石と並んで“世界3大激痛”の病気のひとつと呼ばれることもある。名前だけ聞くと「頭痛の一種でしょ。大げさじゃない?」と思ってしまいそうだが、当事者が語る実態は、一般的な頭痛のイメージとは大きく異なる。

ある時期に発作が集中し、毎日のように決まった時間、決まった場所、主に片方の目の奥に激しい痛みが起きる。

発症すると数週間から数か月、ほぼ毎日のように痛みに襲われる人もいる。特に季節の変わり目に頭痛が発生する“群発期”が訪れる人も多く、この春もSNSでは悩まされているという声が目立つ。

厄介なのは、その深刻さが周囲に伝わりにくいことだ。病名に「頭痛」とつくため、「少し休めば大丈夫なのでは」「我慢できるのでは」と軽く受け止められてしまうこともある。だが実際には、仕事や育児、人間関係、人生設計にまで影響が及ぶこともある。

今回は、群発頭痛に長く悩まされてきた2人の当事者に話を聞いた。

約10年前に群発頭痛を発症した30代男性は、群発期に入ると発作が毎日のように起きるという。特に夜間や明け方に多く、ピーク時には日中にも発作が出て、1日2~3回に及ぶこともある。

「頭痛が始まると、“目の奥をえぐられるような痛み”に襲われ、あまりの痛みにじっとしていられず、うずくまることしかできない状態になります」(30代男性、以下同)

発作がいつ起こるかわからないため、生活のリズムは大きく崩れてしまう。特に夜間の発作は睡眠を直撃し、その影響は翌日の仕事にも及ぶ。

「夜間の発作で十分な睡眠が取れない日が続くと、日中は強い疲労感が残り、集中力も落ちます。簡単な判断に時間がかかったり、普段なら問題なくできる作業で手が止まったりすることもあります」

「いつ発作が来るかわからない」という不安も大きく、長時間の会議や拘束時間の長い予定、急な対応が求められる業務は、事前に調整せざるを得ないこともあるという。

さらに、この男性にとって切実なのが育児との両立だ。