インフルエンザ、コロナ感染、骨折と一線を画す苦しみ
「隣の部屋で娘が眠っている中で発作が起きた際、泣き声が聞こえても様子を見に行くことができなかったことがあります。起き上がろうとしても体が動かず、ただその場でうずくまることしかできませんでした。
本来であればすぐに抱っこしてあげたい状況でも、痛みで立ち上がることすらできず、『父親なのに何もできない』という無力感を強く覚えました。その間、妻にすべて任せるしかなく、家族に負担をかけてしまっているという思いも大きいです」
この男性は、これまでインフルエンザやコロナ感染、骨折、足の不全断裂も経験してきたが、それでも群発頭痛による苦しみは“別格”だと話す。
「正直、群発頭痛はそれらとは比較にならないと感じています。他の痛みは、強くてもどこか耐えられる感覚がありましたが、群発頭痛はじっとしていることすらできないほどの激しい痛みが続きます。
目の奥をえぐられるような痛みが一定時間続き、逃げ場がないまま、その時間をやり過ごすしかない感覚です。これまで経験したどの痛みとも性質が異なり、強さとして近いものは思い当たりません。一言で表すなら、『耐えるという選択肢すら奪われる痛み』だと感じています」
もう一人、取材に応じてくれたのは58歳の女性。28歳で発症して以来、約30年にわたり群発頭痛と向き合ってきた。今でこそ病名を知る人は増えつつあるが、彼女が発症した当時は、医療現場でも十分に知られていなかったという。
「30年前は一般の医者もあまり群発頭痛を知らなかった時代です。若いときは半年~1年おきに群発期が訪れており、現在は加齢のせいか、1~2年おきになりました」(58歳女性、以下同)
痛みについて、女性はこう語る。
「死んだほうがマシというレベルです。片目の奥がえぐられるような痛さです。心筋梗塞や出産、尿路結石などは体験したことありませんが、それよりは痛いと思います」
現在は発作を抑える注射薬を使用しているが、当時は十分な対処法もなく、生活への影響は深刻だった。昼は事務職、夜はスナックで働いていたが、群発期は2か月ほど続き、その間はほとんど出勤できなかったという。
「一回の群発期が、当時は2か月ほど続いたのですが、その間はほとんど出勤できず、大体は『うちではもう雇えない』と言われて、自分から退職という形をとってきました。群発頭痛という病名なので、ただの頭痛と思われていまして、死ぬほど痛いと伝えても伝わらないのが辛かったです」
発作中は、働くどころか会社に連絡を入れることすら難しかった。
「一日4回以上発作がきて、鎮まるまでに1~2時間かかるのです。痛すぎて顔に汗がダラダラと流れてきて止まらず、目からは涙、鼻からは鼻水が出ます。
痛くて電話で会社に連絡、ということもできませんでした。仕事中に発作がきたこともありますが、痛さのあまり何も手につかず、2時間くらい机につっぷしてました。発作中はとにかく痛くて何もできません」













