「聞き入れられなければ自決しようと考えていた」

外国公館が集まる港区元麻布の中でも中国大使館は敷地の広さ、建物の規模とも他国を圧倒している。敷地内は2メートルはある高い塀に囲まれ、警察官が周辺を24時間警備している。

「侵入が発覚したのは24日午前9時ごろです。大使館員が取り押さえましたが、そこまでの経緯ははっきりわかりません。大使館敷地内の植え込みからは刃渡り約18センチの包丁のような刃物が見つかりました。容疑者は大使館に隣接するビルから柵を乗り越えて入った可能性があります」(社会部記者)

警視庁の調べでは村田容疑者は宮崎県えびの市の陸上自衛隊えびの駐屯地に所属している。3等陸尉は防衛省が「幹部」と位置付ける最も下の階級で、容疑者は年齢から一般大学か防衛大学校を卒業後、陸自の幹部候補生学校で1年間教育を受け、任官されたばかりとみられている。 

中国大使館(撮影/集英社オンライン)
中国大使館(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

幹部教育を終えたばかりの自衛官がなぜ大使館に入り込んだのか。

「警視庁によると、容疑者は取り調べに素直に応じ、『中国大使に面会し、強硬な発言をやめてほしいと意見しようとした』『聞き入れられなければ自決しようと考えていた』と供述しているそうです。相手を傷つけるためではない、との趣旨の供述もしているそうです」(同記者)

通常なら動機と実行に至る経緯を捜査で解明していくことになる。だが今回の事件は対立が激化する中国大使館の公館内で起き、全く異なる展開になっている。国内メディアが警視庁への取材に基づいた供述を報じるよりも先に、中国政府が真逆ともいえる容疑者の言動を公表したからだ。

防衛省(写真/PhotoAC)
防衛省(写真/PhotoAC)