世界経済への打撃は、想像を絶する規模に
日本がサウジアラビアやアラブ首長国連邦から買い付けている原油の70パーセント以上は、海峡を経由して届く。カタールから送られるLNGも日本全体の15パーセントを占めており、発電所や産業を支えるために一刻も欠かすことができない。
世界経済への打撃は、私たちの想像を絶する規模になる。原油の値段が上がれば、物を運ぶ費用が増え、店に並ぶあらゆる食べ物や日用品の値段が、これまでの常識を超えて上がっていく。
世界の経済成長を示す指標であるGDPは、0.3パーセントから0.8パーセントも低下する可能性がある。特にアジアの国々は、破滅的な状況に置かれるだろう。中国、インド、日本、韓国の4か国だけで、海峡を通る原油の75パーセント、LNGの59パーセントを消費しているからである。
欧米でもガソリンの価格が1ガロンあたり3ドルを超える事態が予測される。閉鎖が長引けば、物価の上昇と不況が同時に牙をむく「スタグフレーション」という地獄のような現象が起きる。1970年代に世界を絶望させたオイルショックと同じ光景が、さらに深刻な形で繰り返されようとしている。
閉鎖が長く続けば、終わりが見えない苦難が始まる
視点を、私たちの台所や家計に移してみる。エネルギー供給の弱さは、生活者の日常を直接的に、そして冷酷に追い詰める。日本政府は、石油の備蓄を254日分持っている。
国が蓄えている分が146日、民間の会社が持つ分が101日、産油国と共同で持つ分が7日である。LNGの在庫については、わずか約3週間分しかない。
短い期間であれば、備蓄を食いつぶして耐えることもできるだろう。しかし、閉鎖が長く続けば、終わりが見えない苦難が始まる。船が遠回りのルートを選べば、運賃は跳ね上がり、そのツケはすべて私たちの支払う代金に上乗せされる。
「イランはドナルド・トランプ大統領を脅すために、ホルムズ海峡を商用船舶にとって危険な状態にしようとするかもしれない。それにより原油価格が1バレルあたり100ドルを超える急騰を招く可能性がある、とマクナリー氏は述べた。(中略)ホルムズ海峡の長期閉鎖は、確実な世界的な不況を意味する、とマクナリー氏は語った」(2月28日、CNBC)。
原油の価格が1バレルあたり120ドルを超えると、ガソリン代や電気料金は、生活を破壊するレベルで上がっていく。













