コントロールするのか使われるのか

そして翻って現代です。

「労働者」――つまり会社員やパート、非正規雇用などのワーカー――は、意思決定権をもって市場経済に参加するプレイヤーになれないのです。

ホワイトもブルーも正社員も非正規雇用の人も、自分の時間やスキルという「能力」を、会社に売っています。

「私は年収2000万円プレイヤー」という人は、たしかに「能力」を高い値段で企業に売っていますが、自分の生産手段となる資本がありません。

やはり「原材料」と言わざるをえず、ただ、高く売れているので「高級な原材料」ということになります。

資本主義での立ち位置の違い(書籍より引用)
資本主義での立ち位置の違い(書籍より引用)
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■資本家:「市場をコントロールする側」
■ワーカー(労働者):「市場では原材料のように使われる側」

私がUCバークレーにいた頃、同級生たちが当たり前のように起業前提にキャリアを考えていたのは、「ワーカーよりも資本家がいい。市場をコントロールする側になって稼ぎたい」と考えていたからです。

「えーっ、一流企業に就職しても、私は原材料なの?」

これから社会に出ていく子どもに伝えるには、あまりにも残念な話かもしれません。

「それなら絶対に起業する! 資本家になる!」と、かつての私の同級生たちのようなガッツのある子には大いに頑張ってほしいですし、「まずはワーカーから始めよう」という堅実路線もいいと思います。

ただし、何も考えずに「とりあえず就職」というのは最悪で、お金も自由もそれほど手に入りません。

先ほど述べたようにワーカーは「原材料」なので、市場経済というゲームには巻き込まれますが、「課金すれば手に入る武器」みたいなものです。

どうせゲームをするなら、プレイヤーになりたいと思いませんか?