阪神ファンは「熱狂」「没頭」寄り?

そんな私ですから、2003年8月までは、阪神よりむしろ他チームファンの動向を熱心に見てきました。そのころ、私が阪神ファンに抱いていたイメージは、おそらく他チームファンの皆さんが、彼ら(含・私)に抱くイメージと似ていると思います。

すなわち、1「(関西を中心に)絶大なる人気」や、2「やたらと熱くて応援にハマりすぎ」、そして3「能天気で、なぜか幸せそう」など。

実際はどうなのでしょう。

まず1「人気ぶり」は、あるマーケティング会社らによる経年調査(2025年)が物語ります。調査によれば、プロ野球チーム全体のファン人口は、前年(2024年)とほぼ変わらない(約2218万人)のですが、「阪神タイガース」のファン人口(477万人)は、2位の「読売ジャイアンツ」(354万人)に123万人もの差をつけ、ダントツの1位。

しかもそのファン人口は、前年と比べても14.9%増と大幅に増えていたのです(マクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる共同調査「2025年スポーツマーケティング基礎調査」)。

また、2「熱い、ハマりすぎ」は、「熱狂」や「没頭」とも言い換えられます。「没頭」と聞くと、阪神ファンの皆さんは思わず笑みがこぼれるのでは? そうです。2025年、藤川球児監督が「凡事徹底(当たり前のプレーを徹底しよう、の意)」と共にスローガンに掲げた言葉で、そこでは「没頭=周囲の雑音に心を乱されず、ひたすら野球に打ち込もう」などと解釈されました。26年、春のキャンプでも「没頭」は大きなテーマの1つでした。

では、ファンの「熱狂」や「没頭」の度合いはどのように測れるのでしょう。

一般に、阪神ファンは足しげく球場に足を運ぶことで知られ、ホーム球場の「観客動員数」も12球団でもっとも多いのですが、それは球場のキャパシティー(約4万3000人)自体が、他チームより多いせいかもしれません。

書籍『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう』より抜粋
書籍『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう』より抜粋

そんな中、スポーツ企画工房代表の小野寺俊明氏は、「スポナビ 野球速報アプリ」のフォロワー数を指標に挙げます。いわく、同アプリは好きなチームをフォローすると、得点経過などの情報がプッシュ通知で送られてくることもあり、サービス利用者は「かなりのコアなファン」、つまり熱狂的なファン層だろうとのこと。

そこでスポナビのフォロワー数を見ると、やはりトップ(67万人以上)は、「阪神ファン」。2019年以降はAクラス(リーグ6球団中の上位3位)入りを続けているため、「にわかファン」が多くても不思議ではないと思いきや……。「熱狂」「没頭」寄りのファンが多いのは、ほぼ間違いないようです。

書籍『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう』より抜粋
書籍『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう』より抜粋
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文/牛窪恵

『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう マーケッターが気づいた「効果と法則」』(集英社)
牛窪恵
『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファン マーケッターが気づいた「効果と法則」』(集英社)
2026年3月5日
1,760円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4-08-790234-1

【野球でなく「幸せ」に関する本です!】
★「おひとりさま」「草食系」など数々の流行語を世に広め、「ホンマでっか!?TV」ほかテレビのコメンテーターでもおなじみのマーケッター・牛窪恵さん。大学教授でMBAホルダーでもある著者が、推し活と行動経済学などの研究を経て導き出した「Well-being(幸福感)」に繋がるキーワード、それが「阪神ファンと熱狂」でした。
★みずからも熱狂的な阪神ファンで、毎年40試合前後を球場で観戦する著者だからこそ気づいた、彼らの体感的リアリティと行動心理の意外な関係。本書を読むことで、阪神ファン自身も気づいていない「幸福感」に繋がるヒントが、数多く得られるはずです。
★本書ではそうした実践的ヒントを、著名なマーケティング理論や女性ファン(TORACO)約3000人への調査・取材を通して独自分析し、わかりやすく展開します。

【効果と法則はこんなこと!】
■報酬の予測誤差=「ダメな子ほど可愛い」が喜びをもたらす
■プラシーボ効果=前向きな「思い込み」こそが幸運を呼ぶ
■ファンベース効果=「熱狂」こそが幸福度を高める
■サンクコスト効果=「今後も私(僕)がいなきゃ」が愛着を生む
■幸せの損益分岐点=「小さな幸せ」の積み重ねが、幸福度を高める
■PERMAモデル=「没頭」こそが、幸福持続の源泉に

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